ご挨拶
私は病で苦しむ多くの人々が健康を回復し、幸せな人生が送れることを願って1994年当クリニックを開 院しました。当初は東洋医学と西洋医学の長所を取り入れた治療を目指しましたが、西洋医学には欠かせない検査機器がないこともあり、「漢方専 門外来」を標榜し診療を行ってきました。さらに2009年より「漢方内科」に改め、一層漢方医学に精進してまいります。
現在の西洋医学は、科学の名の下に多くの成果を上げてきました。しかし、科学万能の旗印を掲げて進んできた西洋医学は、今大きな曲がり角に 立っています。例えば、抗菌剤の出現により、細菌感染症は克服されるかに見えましたが、抗菌剤が全く効かない細菌(耐性菌)の出現により、多 くの人が命を失っています。また、抗菌剤が全く無効な「感冒」などのウィルス感染症にも、日常的に抗菌剤が投与されるなど、西洋医学は根本的 な見直しが必要となっています。
また、医療も医療者(医師)主体の医療から、患者主体の医療へと変わってきました。数千年にわたって連綿と引き継がれてきた漢方医学は、もと もと患者主体の医療であり、私はその歴史を受け継ぎ、今後も漢方医学中心の診療を行ってまいります。漢方医学は我々の先祖が、身体を通じて 「有効性」「安全性」を立証し、現在に伝えられてきた医学であり、決して非科学的な医学ではありません。最近は、西洋医学的手法による、漢方 医学の「有効性(エビデンス)」を証明する治験が蓄積されてきました。当院でも漢方医学に基づく治療の成果を数多く発表し、漢方医学の発展に 寄与してきました。最近は、さらに漢方薬の効果を高めるため、漢方生薬の粉末を漢方エキス剤に加える工夫や、症状に応じた漢方薬の服用方法 (症状が強い場合は、漢方薬を増量・頻回服用するなど)により、一層の治療効果を上げることが出来るようになりました。これもひとえに患者の 皆様方の貴重な臨床経験、及びご協力の賜物と深く感謝する次第です。
私は、故小倉重成・藤平健・伊藤清夫の各先生の下で漢方医学を学び、その治療効果を確認して応用してきました。今後も患者さん一人一人の持つ 「自然治癒力」を信じ、患者さんが、漢方治療により健康を回復し、「身体が楽になり、人生が楽しくなる」「夢と希望に満ちた人生を取り戻 す」、高齢者は「ぼけない」「寝たきりにならない」「死ぬ前の日まで元気(ピンピンころり)」の医療提供を目指します。
漢方診療を行うに当たっては、漢方治療の「必要性」「有効性」「安全性」「経済性」という基準のもと、患者の皆様方の健康回復は勿論のこと、 薬漬け・検査漬けの医療からの脱却と、漢方医学の更なる発展に寄与すべく努力を傾注していく所存です。引き続き皆様方のご支援、ご協力のほど よろしくお願い申し上げます。
もり内科クリニック 院長 盛 克己
プロフィール
盛 克己(もり かつみ)
昭和43年(1968)千葉大学医学部卒業
平成6年(1994)当院開業 日本東洋医学会専門医・指導医
日本内科学会認定内科医
趣味:海釣り・料理